高齢になると食が細くなる…といわれています。気がつかないうちに、栄養がかたよっていたり、低栄養になっていたりします。年のせいだから筋肉が弱っくなって
…と考えないでください。見えるようにしてみると、食べるものも変わってくるかも知れません。力強くなるかも知れません。見えるようにしてみませんか。
データ・ドリブン・ウエルネスの基本になるのが食事です。一般的に、高齢になると食が細くなって筋肉量が低下して、サルコペニアになる傾向が強いようです。
身体を快適に維持するためには、1日3回の食事が大切なことはよく知られていますが、あまりにも日常のことなので、ついつい…になってしまいます。
まず、しっかり食べることを,もう一度気にしていただいて、そこから笑顔を作り出しましょう。りそうです。
食事の大切さとおもしろさを感じていただくための小冊子です。
下のPDFをプリントしてレッツトライ。
75才以上の高齢者でも、1日、男性で1800kcal(キロカロリー)。女性で1400kcalが必要とされています。身体がうまく動いて、日常の行動ができるためのエネルギーの量です。なにをどう食べれば良いのか…は、人によって異なりますが、内容を気にしてみると、結果として体調も良くなるかも知れません。
お弁当で試してみてください。すべて200円のお弁当です。ご飯とおかずを別にして、カロリーと栄養素をみてみます。高齢になると小食になることが知られていますが、カロリーについて見直してみることの参考になるかも知れません。
さらに、筋肉のモトになる「たんぱく質」は、1日60gが推奨されていますが、いかがでしょうか。豚肉が良い…といわますが、脂質が付いてきます。脂質は抑えたいところです。
カロリーだけを考えれば、ご飯を多く食べれば良いことになります。お腹がいっぱいになってしまう…というのであれば、脂肪分を取ればカロリーは取りやすくなります。
しかし、カタヨッた食事をすると、病気が近寄ってきます。ご飯ばかりだと、糖尿病が近寄ってきます。大切なのはバランスです。
歳を重ねることで、身体の中の機能が弱くなってきます。若いときのようには無理がきかなくなります。そのために、より気を付けなければいけない…ことになります。
栄養バランスに気を配らなければ、病気の原因をつくってしまうことになります。
栄養バランス…といっても、バランスの取り方はみんな同じではありません。同じ年齢でも、肥っている人とやせている人では、違います。健康な人と病気がちな人でも、当然のように異なります。
これまでの多くの栄養摂取の考え方は、メニューの栄養成分を合計する方法であったり、食材の栄養成分の数値で合計していく方法で、100kcalの凸凹は気にしない??ような印象を持っています。個人の身体対応力に合うかどうかは不明…の印象です。
大切なのは、個人の対応力にあった栄養バランス…ということになります。
栄養成分が、身体にどのように作用するかは、個人差が大きいので、見通せないばかりでなく、病気になってから分かることが多いようです。例えば、糖尿病は、痛くもかゆくもないので、健康でない状況を感じてから分かるコトになります。そして、糖尿性腎症や網膜症、認知症状などの余病につながることが知られています。
食品の栄養は、いろいろな要素が含まれています。また、加工品については、内容が一体化していることがあります。栄養を分けることが困難です。これも、栄養バランスを取るための数値化をフクザツにする要素です。
そこで、だったら、素材の栄養分析を基本にして、ご自分の身体や体調に合わせて「組み上立てる」ことにしてはいかがでしょうか。高齢になると「フレイル」「サルコペニア」などの状態になることは知られていますが、その状況にならないように、栄養バランスを組み立てて、《サルコペニア予防》の行動チェックをすることによって、未病の先送りが可能になりそうです。
用意するのは、g単位で計ることができるハカリと電卓。さらに、食品成分表が必要です。
よく食べる食品を「食品成分表」から見つけて、1g当たりの「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」を書き出します。メンドウな感じがしますが、一度書き出してカードにしておけば、毎日使えることになります。
はじめるときに必要なツールは、グラムが計れるハカリ、電卓(筆算でも良いのですが、何回も計算することがあるので、電卓が味方になります)、栄養分析表(本屋さんで)、記録用シート(下記からダウンロードしてください)、お気に入りのボールペン(いつでも目に付く場所において専用にするといいかも)…位でしょうか。
もちろん、お手持ちのモノを活用していただいてOKです。ご用意は次の手順で…
① 下記のフォームをダウンロードして、プリントしていただきます。
1日3食シート 複数枚 1ヵ月シート 2〜3枚 ▼下にシートのPDFがあります。
②はじめは、主食となるご飯(パン・麵)のグラムを計って重さをシートに書き込みま
す。
③栄養分析表の中で、ご飯のタンパク質、脂質、炭水化物の数値を調べて、電卓で計算し
てその結果を欄に記入してみます。
④その他、おかずの中で、分かるものも同じように計って、本を見て、数値を記入します。
⑤その他の分からないもの…を素材の欄に記入して、できるだけ本の数値を参考に描き
込むようにしてみます。
ご自分の身体を作っている食材が、どのような素材で出でき上がっているかが見えることになります。「世の中の大事なことって、ほとんどめんどうくさいんだよ」宮崎駿氏です。
A
B
①Aのところに食べる食品名を記入。Bのところに何gかを記入します。
②A食品の1g当たりの数値=食品成分表から割り出した「たんぱく質」「脂質」「炭水
化物」にBのg数を掛けた数値を記入します。
③たんぱく質の数値に《4》を掛けて、脂質の数値に《9》を掛けて、炭水化物の数値
に《4》を掛けて、合計を出します。これが《kcal》になります。
上のようなカードを作っておくと、栄養摂取のためのデータ作成が効率よく行えます。…でも、メンドウはメンドウです。右のカードは、カードを揃えることで、メニューをつくる…という発想でつくったモノです。
3食分析シート 1ヵ月合計シート 血圧・脈記録シート サルコ予防記録
動くのが、少しメンドウに感じる…とか、動くときに「よいしょ」が多くなったとか、じっとしているときが多くなった…とかを感じたら、もしかすると《栄養バランス》が良くないのかも知れません。まあ、毎日のことですから、食べること・食材…を気にして見ると、体調が少しずつ、ほんの少しずつですが、変わるかも知れません。毎日食べるのですから、少し気にしてみて、少し変えてみて、動くことも、少し心がけてみることで、ほんの少しずつ変化を感じることができるかも知れません。
同じこをするのですから、少しでも、変化を感じられた方が楽しいのではないでしょうか。
もし、お医者さんにかかっているようでしたら、記録したシートをご覧いただいて、体調との関係をお聴きしてみるのも、良いかもしれません。
トライすることから、何かが始まるかも知れません、楽しくなるかも知れません。
「世の中の大事なことって、ほとんどめんどうくさいんだよ」…です。
…とはいっても、続けていくには、もう少し簡単な方が…
メンドウを止めて…
簡単といっても、それはそれではじめは手間がかかりますが、セットしてしまえば、脂質が多いのが分かったり、炭水化物を抑えるために、他の食材を加えたりするオペレーションが可能になるという大きなメリットがあります。
表計算のアプリを使用します。MacならNumber WinならExcelが一般的です。
基本のフォームです。
《栄養バランスオペレーション》の最大の特徴が、栄養成分のコントロールです。
朝食、昼食、夕食のそれぞれに、どのくらいのカロリーを摂取するかを決めておきます。(上の例では、1食500kcal〜を目標にしています)
次に、たんぱく質1日60gを3回に分けて、1食分20gを目安に食事を作ります。
脂質は、1日50gを3食分に分けて、1食15〜20gで合計50gくらいにします。
炭水化物は、1食70〜75g位でしょうか。糖尿病の心配のある人や肥満の人は、70〜80g(栄養指導でいわれる数値)が抑えどころかも知れません。
《栄養バランスオペレーション》では、昼食で、朝食の数値を参考にしながら、食材を決めてメニューをつくります。さらに、夕食で2回の食事の数値を参考に、食材を選びます。
たんぱく質がオーバーになりそうなときは、たんぱく質の多い食材を少なくして、脂質や炭水化物の多い食材を多めにします。脂質がオーバーになりそうなときは、たんぱく質や炭水化物を多めにとるようにして、栄養バランスを取るようにします。